NISA口座で買うべきものは何か
NISAの問題点のおさらい
NISA口座で購入後、5年経過すると非課税期間が終了します。
その時点での時価が購入価格を下回って含み損がでていると、大問題が発生します。
購入価格が購入時点のものでは無く、5年目経過時点の時価に置き換わってしまうのです。
それにより、譲渡益が発生していなくても課税されたり、
譲渡益が発生したとしても課税金額が大きく扱われる弊害が発生します。
NISA口座での投資方針は何か
NISAのメリットというのは非課税制度であり、
利益額をそのまま自分のものにできるという、利益追及の考えです。
それに対し、購入価格更新問題は利益を減少させるどころか、下手をすると損失を引き起こします。
利益を求めていくはずが、いつのまにか損失を生む道に迷いこまないようにするためには、
NISAという制度が、リターンを大きくする機能を持つとともに、
リスクを大きくする機能を持ってしまっていることを認識しないといけません。
そう認識すると、NISAミドルリスクミドルリターンな投資対象に手を出すということは
ハイリスクハイリターンな投資対象に手を出していることと、ほぼ同じと感じられます。
少額投資であるNISAですので、
損失規模もたかがしれているので、一攫千金を目指してハイリスクハイリターンの投資を目指す人もいるでしょう。
そういった人たちは、リスクも分かったうえで投資するのですから、
その信念に基づいて自分の好きなものに投資して問題ありません。
逆に、できるだけ堅実な投資を目指す人は、中途半端なリスク商品を購入するべきではありません。
NISAはリスクも増大させてしまうのですから、
慎重に投資商品を選ぶ必要がでてきます。
ここでは堅実投資向けに2種類ほどファンドを紹介します。
低リスクの債券インデックスファンド
債券というのは、値動きが小さく期待リターンが小さいですが、確実性が高いです。
ですので、国内債券または海外の先進国債券に連動するインデックスファンドのような、
値動きの幅が小さいが、下振れ懸念も小さいファンドの積立はNISA向きと言えます。
国内債券であれば「たわらノーロード国内債券」か「ニッセイ国内債券インデックスファンド」を
購入すればよいでしょう。
どちらのファンドも同じベンチマーク「NOMURA-BPI総合」に連動させる運用を行います。
「NOMURA-BPI総合」は、日本全体の債券市場全体の動向を反映しており、
過去10年の平均リターンも年率+2.6%と、それなりのものが期待できます。
年率2.6%程度では物足りないので、もう少しだけリスクをとるということであれば、
先進国債券に投資するファンド「SMTグローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)」があります。
5年という期間がなければ為替ヘッジなしのファンドとして、ニッセイやたわらノーロードを進めますが、
期間が限られる中で安全性を求めると為替ヘッジありのものを選ぶべきです。
このファンドは「シティグループ世界国債インデックス(除く日本、円ヘッジ円ベース)」をベンチマークとして、
日本を除く世界の主要22か国の国債に投資します。
22か国といっても、北米とヨーロッパで構成比の96%を占めています。
海外債券は国内債券と、さほど期待リターンが変わらないという話もありますが、
マイナス金利の現状では、海外債券のほうがある程度は期待できるはずです。
毎月分配型ファンド
確実に非課税のメリットを享受できるような毎月分配型のファンドもよいと思います。
通常ですと、分配金に課税されるため毎月分配型ファンドというのは、お勧めしかねるのですが、
NISAであれば普通分配金を当然非課税で受領できます。
分配金を受領することで5年目の値下がり分の穴埋め効果も期待できます。
注意してもらいたいのは、
分配金再投資型ファンドの場合は、
せっかくの分配金をまたファンドに投資してしまうので、NISA枠の消費につながりますし、
5年目の値下がりに対する備えになりません。
ただ、
軒並み基準価額が下がっているようなリートファンドばかりですので、
毎月分配型のファンドでおすすめできるものは見当たらないのが本音です。
まとめ
NISAは5年後に確実に出口が存在します。
これが他の投資との決定的な違いです。
この出口到達時点で含み益をだす手段について、私はできる限り安全な手法をとるべきであり、
そのためにはリターンが若干小さくなってもやむを得ないと捉えるべきと考えています。
攻めるところは攻め、守るところは守ることが必要ですので、
面白味は無くても債券インデックスファンドの積立は有効な手段だと思います。
30前半で年収800万円くらいの会社員です。妻と二人暮らしですが、会社の先行きに怯えながら、すこしでも金融資産を増やそうと四苦八苦しています。夢は南の島でのんびり過ごすことです。